アイゼンシュタインの既約判定法

原始的な整数係数の多項式 $$f(x)=a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\cdots+a_1x+a_0\hspace{35pt}(a_n\ne0)$$ に対して, 次の条件を満たす素数\(p\)が存在する時, \(f(x)\)は因数分解できない.
  • \(p\)は,\(a_n\)の約数でない.
  • \(p\)は,\(a_i\) \((i=0,1,\cdots,n-1)\)の約数である.
  • \(p^2\)は,\(a_0 \)の約数でない.
を証明する.
ここで, 整数係数の多項式が原始的であるとは, 全ての係数の最大公約数が\(1\)であるときをいう.
また,「因数分解できない」とは, 正確には, 「整数係数の多項式の積の形に変形できない」 ということである.
証明の後,次の2つの例題についても触れる.
  • 多項式\(x^3+3x^2+6x+15\)が因数分解できないことを示せ.
  • 多項式\(x^{p-1}+x^{p-2}+\cdots+x+1\)が因数分解できないことを示せ. (\(p\)は素数)
1つ目は,アイゼンシュタインの既約判定法から明らかであるが, 2つ目に同定理を用いるためには,少し工夫が必要である.


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