場合の数の基礎

同じ条件下で繰り返し行うことのできる実験や観察などのことを 試行といい, 試行によって,起こる結果のことを事象という. ある事象の起こり方の総数のことを場合の数 という.

ある事象の場合の数を数えるときは,

もれなく,重なりなく

数える必要がある. そのためには,ある規則に基づいて, 順序正しく数えることが大切である. そのための方法として, 樹形図というものを使った方法を紹介する.

例.アルファベット\(a,a,b,c\)を1列に並べる場合の数を数える. 3種類の文字\(a,b,c\)に, \(a\to b\to c\)の順番で優先順位をつけて, 下のように順序正しく書き出す.
樹形図の例題を見たあと, 和の法則と積の法則と呼ばれる重要な法則について紹介し, それぞれ,簡単な例題を解説する.

和の法則

2つの事象\(A, B\)が,同時には起こらないとする. 事象\(A\)の場合の数が\(m\)通り, 事象\(B\)の場合の数が\(n\)通りとするとき, 事象\(A\)または\(B\)が起こる場合の数は, \(m+n\)通りである.


積の法則

事象\(A\)の場合の数が\(m\)通りであるとし, その各々において, 事象\(B\)の場合の数が\(n\)通りであるとする. このとき, 事象\(A\)と\(B\)がともに起こる場合の数は, \(mn\)通りである.



PDF