累乗根

\(n\)を正の整数とする. このとき, \(n\)乗して\(a\)になる数\(x\)を, \(a\)の\(n\)乗根といい, \(2\)乗根(平方根), \(3\)乗根(平方根), \(4\)乗根,\(\cdots\)を, まとめて累乗根という.

記号\(\sqrt[n]{a}\)を次のように定義する. \(n\)を正の整数とする.
○\(a>0\)で
  • \(n\)が偶数なら, \(a\)の\(n\)乗根のうち実数であるものは, 正と負の2つ存在するので, そのうち正の方を\(\sqrt[n]{a}\)で表す.
  • \(n\)が奇数なら, \(a\)の\(n\)乗根のうち実数であるものは, 1つ存在するので, それを\(\sqrt[n]{a}\)で表す.
○\(a<0\)で,
  • \(n\)が偶数なら, \(a\)の\(n\)乗根のうち実数であるものは, 存在しない.
  • \(n\)が奇数なら, \(a\)の\(n\)乗根のうち実数であるものは, 1つ存在するので, それを\(\sqrt[n]{a}\)で表す.
○\(a=0\)のとき,
  • \(n\)の偶奇に関わらず, \(\sqrt[n]{0}=0\) と定める.

最後に,次の基本的な累乗根の性質を証明する.
\(a > 0, b > 0\)とし, \(m, n, k\)を正の整数とする. このとき次が成り立つ.
  • \(\sqrt[n]{a}\sqrt[n]{b}=\sqrt[n]{ab}\)

  • \(\displaystyle\frac{\sqrt[n]{a}}{\sqrt[n]{b}} =\sqrt[n]{\displaystyle\frac{a}{b}}\)

  • \(\left(\sqrt[n]{a}\right)^m=\sqrt[n]{a^m}\)

  • \(\sqrt[m]{\sqrt[n]{a}}=\sqrt[mn]{a}\)

  • \(\sqrt[nk]{a^{mk}}=\sqrt[n]{a^m}\)




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