直線のベクトル方程式

座標平面上の直線(の方程式) \(y=ax+b\) とは, 正確には, 等式\(y=ax+b\)を満たす 点\({\rm{P}}(x,y)\)の集まりのこと, すなわち,集合 $$ \{{\rm{P}}(x,y)\mid y=ax+b\} $$ のことであった. このように,点\({\rm{P}}(x,y)\)の存在は, 明記されないことが多いが, 意識しておく必要がある. ここでは, 点\({\rm{P}}\)の位置を表すために,直交座標 \({\rm{P}}(x,y)\) を用いた.

同様に, 点\({\rm{P}}\)の位置を, 位置ベクトル を用いて表し, 直線をベクトルの等式を用いて定めることができる. すなわち,平面上の直線を, 集合 $$ \{ {\rm{P}}(\vec{p})\mid \mbox{ベクトル }\vec{p}\mbox{ に関する等式} \} $$ として定めることができる. ここに現れた,「ベクトル\(\vec{p}\)に関する等式」を 直線の ベクトル方程式 という.

実際に,直線のベクトル方程式は,次のように求められる.
命題. 点\({\rm{A}}(\vec{a})\)を通り, ベクトル\(\vec{d}\ne\vec{0}\)に平行 な直線 のベクトル方程式は, $$ \vec{p}=\vec{a}+t\vec{d} $$ である. ここで, \(t\)は媒介変数である.
命題. \(2\)点\({\rm{A}}(\vec{a}),\ {\rm{B}}(\vec{b})\)を通る直線 のベクトル方程式は, $$ \vec{p}=(1-t)\vec{a}+t\vec{b} $$ である. ここで, \(t\)は媒介変数である.
命題. 点\({\rm{A}}(\vec{a})\)を通り, ベクトル\(\vec{n}\ne\vec{0}\)に垂直な直線 のベクトル方程式は, $$ \vec{n}\cdot(\vec{p}-\vec{a})=0 $$ である.

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