三角関数のグラフ 拡大縮小と平行移動

三角関数のグラフの 拡大や縮小,平行移動について, 関数の方程式との関係を説明する.

まず,一般の周期関数に対して成り立つ, 次の命題を証明する.

命題.
関数\(f(x)\)を 周期\(p\)を持つ周期関数とする.このとき, \(k\ne0\)に対して, 関数\(f(kx)\)は,周期\(\displaystyle\frac{p}{|k|}\)を持つ周期関数である.

この結果から次が従う.
  • 関数\(y=\sin kx\)は,周期関数であり, その周期は\(\displaystyle\frac{2\pi}{|k|}\)である.
  • 関数\(y=\cos kx\)は,周期関数であり, その周期は\(\displaystyle\frac{2\pi}{|k|}\)である.
  • 関数\(y=\tan kx\)は,周期関数であり, その周期は\(\displaystyle\frac{\pi}{|k|}\)である.
これらは,\(x\)軸方向への拡大・縮小と見ることができる.

また,\(y\)軸方向への拡大・縮小を考えることにより, 次も明らかである.
任意の\(x\)と, \(k\ne0\)に対して, $$-k\leq k\sin x\leq k$$ $$-k\leq k\cos x\leq k$$ が成り立つ.


平行移動については,次のように, これまでの関数と同じように考えることができる.
\(y=f(x)\)を三角関数とする. このとき, $$y=f(x-p)+q$$ のグラフは,もとのグラフを, \(x\)軸方向に\(p\), \(y\)軸方向に\(q\)だけ平行移動させたグラフである.



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