連立不等式の表す領域

座標平面において, 不等式の表す領域 とは, 与えられた\(x,y\)についての不等式を満たす点\((x,y)\)全体のことをいうのであった.

ここでは,与えられた連立不等式の表す領域を考察する. 連立不等式を満たす点とは, それぞれの不等式を同時に満たす点のことであったので, 連立不等式を表す領域とは, それぞれの不等式の表す領域の 重なる部分のことである. 言い換えると, それぞれの不等式を満たす点全体の集合の 共通部分のこととも言える.

与えられた不等式が連立不等式の形をしていなくても, 連立不等式の考え方を用いて,領域を求めることもある. 例えば, $$ F(x,y)=f(x,y)\cdot g(x,y) $$ のように積の形に変形できる(因数分解できる) 多項式\(F(x,y)\)に対して,不等式 $$ F(x,y)>0 $$ の表す領域を考える. $$ F(x,y)>0 \Longleftrightarrow f(x,y)\cdot g(x,y)>0 $$ であり,これは, $$ f(x,y)>0,\hspace{5pt} g(x,y)>0 \mbox{ または,} f(x,y)<0,\hspace{5pt} g(x,y)<0 $$ が成り立つことと同値である. よって,求める領域は, 連立不等式 \begin{align} f(x,y) > 0\\ g(x,y) > 0 \end{align} の表す領域と, 連立不等式 \begin{align} f(x,y)< 0\\ g(x,y)< 0 \end{align} の表す領域を 合わせた部分である. 言い換えると, それぞれの不等式を満たす点全体の集合の 和集合を求めることになる.

最後に次の例題を解説する.

次の不等式の表す領域を図示せよ. $$ x^3+x^2y+xy^2+y^3-x-y>0 $$


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