条件付き確率

ある試行における事象\(A\),\(B\)に対し, 事象\(A\)が起こったときに事象\(B\)が起こる確率を, 事象\(A\)が起こったときの事象\(B\)が起こる条件付き確率といい, \(P_A(B)\)と表す.

事象\(A\)の確率の定義は, \(P(A)=\displaystyle\frac{n(A)}{n(U)}\), すなわち,全事象\(U\)における事象\(A\)の起こる割合と呼べるものであった. これに対して,条件付き確率\(P_A(B)\)は, 「事象\(A\)が起こったときに\(\cdots\)」と定義されている. つまり,確率の定義における分母を\(n(A)\)にすれば良いのである. しかし,(一般には)分子は単純に\(n(B)\)とはならないことに注意する. なぜならば, 下の図に示すように, \(P(A)\)が「\(U\)のうちの\(A\)である」と言えるのに対して, \(P_A(B)\)は,「\(A\)のうちの\(B\)である」となるからである.
言い換えると,事象\(A\)を全事象とするとき,事象\(B\)の起こる確率が 条件付き確率\(P_A(B)\)である. すなわち,\(P_A(B)=\displaystyle\frac{n(A\cap B)}{n(A)}\)が成り立つ. 同じことなので,改めて,この式を条件付き確率の定義としよう.

条件付き確率

ある試行における事象\(A, B\)に対し, \(\displaystyle\frac{n(A\cap B)}{n(A)}\) を, 事象\(A\)が起こったときの事象\(B\)が起こる条件付き確率 といい,\(P_A(B)\)と表す. すなわち, $$P_A(B)=\displaystyle\frac{n(A\cap B)}{n(A)}$$ と定義する.
条件付き確率の定義式の分母分子をそれぞれ\(n(U)\)で割ることで, 次の等式が得られる. $$ P(A\cap B)=P(A)P_A(B) $$


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