実数の連続性

高等学校では,実数を,数直線上の点として表すことのできる数として定義する. つまり,実数全体の集合は数直線なのだから, 途切れていないというわけである. この「途切れていない」という性質は, かなり大事なのであるが, 高校数学では,(上の定義を見てもわかるように,) 当たり前に成り立つものとして,特に言及もされないのである. しかし,厳密には,次のような公理を認めてから議論を始める必要がある.

公理.(実数の連続性) \(X\)を実数全体の集合の空でない部分集合とする.
  • \(X\)が上に有界ならば,上限\(\sup X\)が存在する.
  • \(X\)が下に有界ならば,下限\(\inf X\)が存在する.
実は,実数の連続性公理には, いくつか同値な定理が存在しており 他の定理を公理として採用することで,実数の連続性公理を証明することができる (そのため実数の連続性公理は上限定理と呼ばれることもある.). 例えば, (これも高校数学では証明なしに認められる定理であるが) 「有界な単調数列は収束する.」という定理は, 実数の連続性公理と同値である. 数直線が途切れていないというイメージに合うのは,むしろこちらの定理かもしれない.


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この記事は, [黒田2018] を参考にさせていただいています.