逆関数の微分

はじめに逆関数の存在について復習する:
\(y=f(x)\)を\(I\)上で定義された関数し, その値域を\(V\)とする. 任意の\(a_1, a_2\in I\)に対して, $$ f(a_1)=f(a_2) \Longrightarrow a_1=a_2 $$ が成り立つなら, \(V\)を定義域とする\(y=f(x)\)の逆関数\(x=f^{-1}(y)\)が存在する.
上の補題における \(f(a_1)=f(a_2) \Longrightarrow a_1=a_2\) という仮定は, 単射性と呼ばれる. 微分可能な関数が単射であるとは, 狭義単調増加または狭義単調減少 ということである.


逆関数の微分法を述べるために,次のように言葉を定義する:
関数\(y=f(x)\)において, 定義域の部分集合\(I\)に対して, $$V:=\{y=f(x)\mid x\in I\}$$ を関数\(f(x)\)における \(I\)のといい,\(V\)を\(f(I)\)とかく.


最後に逆関数の微分法を証明する.
関数\(y=f(x)\)が,\(I\)上で単射であり微分可能である とする. さらに,全ての\(x\in I\)に対して,\(f'(x)\ne0\)であれば, 逆関数\(x=f^{-1}(y)\)は\(f(I)\)で微分可能であって, 次が成り立つ.
$$ \displaystyle\frac{d}{dy}f^{-1}(y)=\frac{1}{f'(x)} \hspace{5pt}\mbox{すなわち,}\hspace{5pt} \displaystyle\frac{dx}{dy}=\frac{1}{\frac{dy}{dx}} .$$


最後に具体例として, 逆関数の微分法を用いて, 関数\(x=\sqrt{y}\)の導関数を求める.


PDF