軌跡の基本事項

与えられた条件を満たす点が動いてできる図形を, その条件を満たす点の軌跡という.

軌跡は次の手順で求められる.
  1. 与えられた条件を満たす任意の点を \({\rm{P}}(X,Y)\)とおく.
  2. 与えれれた条件から,\(X,Y\)の関係式\(f(X,Y)=0\)を導く.
  3. 逆に,\(f(X,Y)=0\)を満たす点\((X,Y)\)が, 与えられた条件を満たしているかを確認し, 満たしていない点があれば,それらを除外する.

軌跡の問題には, 手順3.を忘れることによる誤答が多い. そのことを確認するためにも次の2つの例題を解説する.

例1 座標平面上の原点\({\rm{O}}(0,0)\)からの距離が\(1\)である点の軌跡を求めよ.

例2 座標平面上に2点\(A(-1,0), B(1,0)\)をとる. \(\bigtriangleup{\rm{APB}}\)が,辺\({\rm{AB}}\)を斜辺とする 直角三角形になるような,点\({\rm{P}}\)の軌跡を求めよ.

一見どちらの例も,求める軌跡は, 原点を中心とする半径\(1\)の円であるように思えるかもしれないが, 少し異なる.例2では除外する点があるのである.


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