平行なベクトルに対しては,次が成り立つ.
\(\overrightarrow{a}\ne\overrightarrow{0}\)
,\(\overrightarrow{b}\ne\overrightarrow{0}\)
のとき,
これは,ベクトルの実数倍の定義から明らかである.
$$\overrightarrow{a}\mbox{と}\overrightarrow{b}\mbox{が平行}
\Longleftrightarrow
\overrightarrow{b}=k\overrightarrow{a}\mbox{となる実数}k\mbox{が存在する}
$$
次に,ベクトルの一次独立について定義する:
\(\overrightarrow{0}\)でない2つのベクトル \(\overrightarrow{a}\),\(\overrightarrow{b}\)に対して, $$s\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{b}=\overrightarrow{0} \hspace{20pt}\Longleftrightarrow\hspace{20pt} s=t=0 $$ が成り立つとき, 2つのベクトル\(\overrightarrow{a}\)と\(\overrightarrow{b}\)は 一次独立であるという.
また
一次独立であることと,平行でないことは同値である.
次にベクトルの分解について述べる:
平面上で,\(\overrightarrow{0}\)でない2つのベクトル
\(\overrightarrow{a}\),\(\overrightarrow{b}\)
が一次独立である(平行でない)とする.
このとき,任意のベクトル\(\overrightarrow{p}\)は,
$$\overrightarrow{p}=s\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{b}
\hspace{30pt}(s,t\in\mathbb{R})$$
と一意的に表すことができる.
証明は,ベクトルを
有向線分
で表すことで行われる.
最後に, 上で述べた平面上の一次独立の定義が, 空間内のベクトルに対しても拡張できることについて触れる.