同じものを含む順列

順列 では,\(n\)個の異なるものから\(r\)個取り出して並べる並べ方の総数を考えていた. ここでは,この\(n\)個のものに同じものが含まれている場合を考える.

まず具体例として, \(A\)と書かれた玉4つと, \(B\)と書かれた玉3つと, \(C\)と書かれた玉2つの合計9個の玉を並べる並べ方の総数 が, $$\frac{{_9}{\rm{P}}_9}{{_4}{\rm{P}}_4\cdot{_3}{\rm{P}}_3\cdot{_2}{\rm{P}}_2} =\frac{9!}{4!3!2!}$$ になることを解説する.
そして一般の場合には,次が成り立つことを証明する.
\(A_1\)と書かれた玉が\(p_1\)個, \(A_2\)と書かれた玉が\(p_2\)個, \(\cdots\), \(A_m\)と書かれた玉が\(p_m\)個 の合計\(n=p_1+p_2+\cdots+p_m\) の玉があるとする. これら\(n\)個を並べて作った順列の総数は,
$$\frac{n!}{p_1!p_2!\cdots p_m!} =\frac{(p_1+p_2+\cdots+p_m)!}{p_1!p_2!\cdots p_m!} $$
である.


そして最後に,並べるものが\(n\)個全てではなく, \(r\)個(\(r< n\))の場合を証明する.
上と同じ状況で,\(m\)種類\(n\)個の玉のうち\(r\)個を選んで並べて作った順列の総数は,
$$ \sum_{(p_1′, p_2′, \cdots, p_m’)}\frac{r!}{p_1′!p_2′!\cdots p_m’!} =\sum_{(p_1′, p_2′, \cdots, p_m’)}\frac{(p_1’+p_2’+\cdots+p_m’)!}{p_1′!p_2′!\cdots p_m’!} $$
である. ただし, 和\(\sum\) は, \(r=p_1’+p_2’+\cdots+p_m’\)であり, 各\(i=1,2,\cdots,m\)に対して, \(0\leq p_i’\leq p_i\) を満たす全ての組み\((p_1′, p_2′, \cdots, p_m’)\) をわたるものとする.



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