確率の基礎

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事象と集合の対応を思い出す. ある試行における 全事象\(U\)を全体集合\(U\)として, その試行における全ての事象を, 全体集合\(U\)のある部分集合として考えることができたのであった. この対応により,

ある事象\(A\)の起こる場合の数 \(=\) 集合\(A\)の要素の個数


が成り立ち,これらを\(n(A)\)と表すのであった.

それでは,確率を定義しよう.
  • 1つの試行において, どの根元事象も同じ程度起こることが期待されるとき, これらの根元事象は, 同様に確からしいという.
  • 全事象\(U\)のどの根元事象も同様に確からしいとき, 事象\(A\)の確率を次のように定め,これを\(P(A)\)で表す:
    $$ \mbox{事象}A\mbox{の確率} =\frac{\mbox{事象}A\mbox{の起こる場合の数}}{\mbox{全事象}U\mbox{の起こる場合の数}} $$
    すなわち, $$ P(A)=\frac{n(A)}{n(U)} $$ と定める.


次の確率の基本性質を証明する.
ある試行において, 全事象を\(U\),空事象を\(\emptyset\)とする. このとき, 任意の事象\(A,B\)に対して, 次が成り立つ.
  • \(0\leq P(A)\leq 1\) であり,特に, \(P(\emptyset)=0\),\(P(U)=1\).
  • \(P(A\cup B)=P(A)+P(B)-P(A\cap B)\)
    特に,\(A\)と\(B\)が互いに排反であるとき, \(P(A\cup B)=P(A)+P(B)\).
  • \(P(\overline{A})=1-P(A)\).
これらは,集合の要素の個数に関する結果を用いて簡単に証明できる.


最後に確率の定義にある「同様に確からしい」という言葉の注意として, 確率を考える際に「同様に確からしい根元事象」を正確に考えることの 重要性を簡単な例題を用いて解説する.


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