独立試行の確率

2つの試行において, 互いの結果が他方の結果に影響を及ぼさないとき, これらの試行は独立であるという. また, 3つ以上の試行が独立であるとは, どの2つの試行も独立であるときをいう. 複数の独立な試行をまとめて1つの試行とみるとき, この試行を独立試行という.

独立試行の確率に関して,次が成り立つ.
2つの独立な試行を\(T_1, T_2\)として, これらを合わせた独立試行を\(T\)とする. \(T_1\)のある事象$\(A_1\)と, \(T_2\)のある事象\(A_2\)に対して, \(A_1\)が起こり,\(A_2\)が起こるという\(T\)の事象を\(A\)とする. このとき,次が成り立つ. $$P(A)=P(A_1)P(A_2).$$
証明には,直積集合の概念が必要である. また,この結果は,3つ以上の独立な試行からなる独立試行における ある事象の確率にも一般化できる.

独立な同じ試行を何回も繰り返すという 独立試行を 反復試行という.

反復試行の確率に関して,次が成り立つ.
ある試行において,事象\(A\)が起こる確率を\(p\)とする. この試行を\(n\)回繰り返すという反復試行において, 事象\(A\)が\(r\)回起こるという事象の確率は, $${_n}{\rm{C}}_r p^r(1-p)^{n-r}$$



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