三角関数

座標平面上の原点 \(\rm{O}\) を中心とする半径\(r\)の円を考える. \(x\)軸の正の部分を 始線 にとり, 一般角\(\theta\)の 動径 と,この円との交点を\({\rm{P}}(x,y)\)とする.
まず,次の補題を証明する.

\(\displaystyle\frac{y}{r}\), \(\displaystyle\frac{x}{r}\), \(\displaystyle\frac{y}{x}\)の 各値は,\(r\)によらず,\(\theta\)だけによって決まる.

これにより,上の3つの値は,\(\theta\)の関数と見ることができる. よって,三角関数を次のように定義することができる.
上の状況において,
$$\sin\theta = \frac{y}{r} \hspace{5pt},\hspace{5pt} \cos\theta = \frac{x}{r} \hspace{5pt},\hspace{5pt} \tan\theta = \frac{y}{x} $$
と定義し,それぞれ一般角\(\theta\)の 正弦(sine・サイン) ,余弦(cosine・コサイン) ,正接(tangent・タンジェント) といい, これらをまとめて三角関数という. ただし,任意の整数\(n\)に対して, \(\theta=\displaystyle\frac{\pi}{2}+n\pi\)のとき, \(\tan\theta\)は定義されない.
定義のように,半径\(r\)の円で考えるのではなく, 単位円上(すなわち\(r=1\))で考えることにより,

\(\sin\theta, \cos\theta, \tan\theta\) はそれぞれ, 点\({\rm{P}}\)の \(y\)座標,\(x\)座標,直線\({\rm{OP}}\)の傾き

と見ることができる.
また,三角関数の相互関係
  • \(\tan\theta=\displaystyle\frac{\sin\theta}{\cos\theta}\)

  • \(\sin^2\theta+\cos^2\theta=1\)

  • \(1+\tan^2\theta=\displaystyle\frac{1}{\cos^2\theta}\)
や,様々な角の三角比の間の関係についても紹介する.
  • \(\sin(2n\pi\pm\theta)=\pm\sin\theta\)

  • \(\sin(\pi\pm\theta)=\mp\sin\theta\)

  • \(\sin\left(\displaystyle\frac{\pi}{2}\pm\theta\right)=\cos\theta\)
  • \(\cos(2n\pi\pm\theta)=\cos\theta\)

  • \(\cos(\pi\pm\theta)=-\cos\theta\)

  • \(\cos\left(\displaystyle\frac{\pi}{2}\pm\theta\right)=\mp\sin\theta\)
  • \(\tan(2n\pi\pm\theta)=\pm\tan\theta\)

  • \(\tan(\pi\pm\theta)=\pm\tan\theta\)

  • \(\tan\left(\displaystyle\frac{\pi}{2}\pm\theta\right) =\mp\displaystyle\frac{1}{\tan\theta}\)



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