この記事では, \(\varepsilon-N\)論法による数列の極限の定義に基づいて, 次の定理を証明する.
ある実数\(\alpha,\beta\)に対して, \(\displaystyle\lim_{n\to\infty}a_n=\alpha, \displaystyle\lim_{n\to\infty}b_n=\beta\) が成り立つとする. このとき次が成り立つ.
全ての\(n\)に対して, \(a_n\leq b_n \hspace{5pt}\Longrightarrow\hspace{5pt} \alpha \leq \beta\)
全ての\(n\)に対して, \(a_n\leq c_n \leq b_n \)かつ\(\alpha=\beta \hspace{5pt}\Longrightarrow\hspace{5pt} \displaystyle\lim_{n\to\infty}c_n=\alpha\)
最後の主張は「はさみうちの原理」と呼ばれる.
この記事は, [黒田2018] を参考にさせていただいています.