合成関数の微分

関数の連続性に関する重要な2つの事実 を用いて, 2つの微分可能な関数の合成関数はまた微分可能であることを証明し, その導関数の公式を導く.

\(y=f(x)\),\(x=g(u)\)の定義域をそれぞれ,\(I\),\(J\)とし, 任意の\(b\in J\)に対して,\(g(b)\in I\)が成り立っているとする. \(y=f(x)\),\(x=g(u)\)がともに微分可能であるとき, 合成関数\(y=f(g(u))\)も微分可能であり, その導関数について,

$$ \{f(g(u))\}’=f'(g(u))\cdot g'(u) \mbox{ すなわち, } \frac{dy}{du}=\frac{dy}{dx}\cdot\frac{dx}{du} $$

が成り立つ.

この定理は,大雑把に言って,
\(u\to b\)のとき,\(x=g(u)\to g(b)=a\)なので,
$$ \lim_{u\to b}\frac{f(g(u))-f(g(b))}{u-b} =\lim_{u\to b}\frac{f(g(u))-f(g(b))}{g(u)-g(b)} \cdot\lim_{u\to b}\frac{g(u)-g(b)}{u-b} =\lim_{x\to a}\frac{f(x)-f(a)}{x-a} \cdot\lim_{u\to b}\frac{g(u)-g(b)}{u-b} $$
が成り立つ. ということである. しかし,極限\(u\to b\)をとる前に, \(g(u)=g(b)\)となる可能性があるので, このような式変形だけでなく, 厳密な議論が必要になる.
(\(\displaystyle\lim_{x\to a}\)の 定義は, 「\(x\)が\(a\)と異なる値をとりながら限りなく\(a\)に近づく」 であった.)


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