4次関数と複接線で囲まれる部分の面積

4次関数
$$ f(x)=ax^4+bx^3+cx^2+dx+e\hspace{10pt} (a\ne0) $$
において, 曲線\(C:y=f(x)\) が, 複接線を持つための必要十分条件 は, $$ D:=3b^2-8ac>0 $$ が成り立つことであった. 以下では,\(D>0\)を仮定する.
4次曲線\(C\)に対して,その複接線\(\ell\)はただ1つに決まることから, \(C\)と\(\ell\)で囲まれる部分の面積も, \(C\)の方程式のみによって決まることが分かる. この事実と, 1/30面積公式 を合わせることで, 次の公式を得ることができる.
\(f(x)=ax^4+bx^3+cx^2+dx+e,\ (a\ne0)\)とし, 曲線\(C:y=f(x)\)が複接線\(\ell\)を持つとする. このとき, \(C\)と\(\ell\)で囲まれる部分の面積\(S\)について,次が成り立つ.
$$ S =\frac{\sqrt{D}^5}{960a^4} \hspace{10pt} (D:=3b^2-8ac) $$

注意. 上の公式の形から, その面積は, \(f(x)\)の1次以下の項の係数(すなわち\(d,e\)) には寄っていないこともわかる. これについて, 定数項の値(\(e\))が面積に影響を与えないのは, 平行移動によって面積が不変であることから明らかである. 1次の項の係数(\(d\))については, 下のPDFか, 4次関数の対称性 を参照していただきたい.

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