2円の式からなる円を動かすだけです. 良かったらどうぞ.
以下は,数学的な補足です.
定理.
2つの円
$$C_1 : (x-a_1)^2+(y-b_1)^2 = r_1^2$$
$$C_2 : (x-a_2)^2+(y-b_2)^2 = r_2^2$$
が異なる2点で交わっているとする.
このとき,任意の実数\(k\)に対して,方程式
$$
k\left((x-a_1)^2+(y-b_1)^2 – r_1^2\right)
+\left((x-a_2)^2+(y-b_2)^2 – r_2^2\right)
=0
$$
は,次のような図形を表す.
- \(k=-1\)のとき,\(C_1\)と\(C_2\)の2交点を通る直線,
- \(k\ne-1\)のとき,\(C_1\)と\(C_2\)の2交点を通る円.
以下,説明のために, $$ f_1(x,y)=(x-a_1)^2+(y-b_1)^2 – r_1^2, $$ $$ f_2(x,y)=(x-a_2)^2+(y-b_2)^2 – r_2^2 $$ として, 円\(C_1, C_2\)を $$ C_1 : f_1(x,y)=0, $$ $$ C_2 : f_2(x,y)=0 $$ と表す.
上の定理において, 特に,\(k=-1\)の時に現れる直線 $$ \ell : -f_1(x,y)+f_2(x,y)=0 $$ は2円\(C_1, C_2\)の 根軸 と呼ばれる.
根軸は,同心円でない2つの円に対して,
方べきの値 が等しい点の集合
ここで, 点\((\alpha, \beta)\)と円\(C_1\)に対して定まる 方べきの値とは, $$ f_1(\alpha,\beta) $$ のことであったので, \(\ell\)の方程式を $$ f_1(x,y)=f_2(x,y) $$ とみることにより, これは,まさに方べきの値が等しい点\((x,y)\) の集合を表していることがわかる.
\(k\ne-1\)の場合を考察する. 上の定理から, 2つの円\(C_1, C_2\)が交点を持つ場合には, $$ kf_1(x,y)+f_2(x,y)=0 $$ は必ず,円を表すことがわかるが, この円は, \(C_1\)に対する方べきの値と, \(C_2\)に対する方べきの値が, $$ 1:-k $$ すなわち, $$ f_1(x,y):f_2(x,y)=1:-k $$ を満たす点\((x,y)\) の集合であることがわかる.
このような点の集合は, \(C_1, C_2\)が交点を持たない場合にも, 存在する(場合がある)が, これは1点になる場合もあれば,円になる場合もある.
一般に, 2つの円\(C_1, C_2\)と\(k\)の値に対して, 方程式 $$ kf_1(x,y)+f_2(x,y)=0 $$ を満たす点の集合がどのようになるのかは大変興味深い問題であるが, これについても, 「動かす円束」を用いて考察していただきたい.